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わたしが音大に入学したのは10年以上前のことです。
音楽家の家族も友人もいなかったわたしは、突然その魔界に足を踏み入れてしまったのでした。
音大という魔界に素人が足を踏み入れてびっくりしたこと
一般の四年制大学に行っていないので、何がどう違うかわかっていないところもあると思うのですが、個人的に感じた魔界ポイントを語ってみます。
どこかから怒られるかもしれない。
先生至上主義
まずこれについては語りたいです。
自分の師匠である先生には決して逆らえませんでした。
わたしが声楽科で見聞したり遭遇したりした先生には以下のような方がいらっしゃいましたが、これが逆らえないんですよね。
・レッスン開始時間に「お散歩」に行かれて戻ってこられない女性の先生
・ご自分の処方薬を生徒に取りに行かせる女性の先生
(ご自宅が薬局から遠いとの事)
・舞台本番中に本当にキスをしてくる男性の先生
・レッスン帰りに手をつないでくる男性の先生
・全身マッサージをしてくださる男性の先生
・オイルマッサージをしてくださる男性の先生
etc.
他の先生に師事することもできますが、元の先生が自分の試験の審査員になられたり、オペラ実習の相手役になる可能性もありますから、そう上手くいかないんです。
今思うとかなり閉鎖的な世界でした。
クラシック音楽業界自体が狭い世界ですしね。
ちなみに10年前はレッスン室には外から見られる小窓もなく、伴奏ピアニストさんがいらっしゃらなければ密室に完全に先生と二人きりになってしまっていたのです。
部屋は防音仕様だったりもして。
危険極まりなかったですが、今現在はどの音楽大学も対策を講じているはずです。
(※もちろん多くは良識ある素晴らしい先生です!)
1レッスン1万円は当たり前
音大受験にはお金がかかるとよく言われますが、そのほとんどがレッスン代に起因します。これは楽器に関わらず。
1万円以下だと安い、という印象です。
教授レベルになると1レッスン1時間1.5万円~3万円が相場でした。
練習室争奪戦
音楽漫画などの登場人物はみんな、練習室で有意義な時間を過ごしていると思うのですが…この練習室、多くは予約制で使われます。
なかには備え付けのピアノに不具合のある部屋、音漏れがすさまじい部屋などもあります。
2台ピアノやグランドピアノの部屋も限られていますし、広さや位置などが都合よく人気の部屋もあるわけですね。
そのため良い部屋が取れなかったり、十分な時間がとれないこともあります。
漫画やドラマに登場する音楽科の学生も、実は裏で練習室争奪戦に参戦しているはず。。。
大学からほど近くの音出し可能物件に住んでいる学生は勝ち組です。
男女比が1:9
科にもよるのですが、我が声楽科は1:9くらいでした。
なかなか恋愛には発展しづらいですよ。
多くの皆さんが音楽優先ですし、生徒数が少ないためすぐ周りに気づかれますし。。。
あと、自分も含め、根本的に変わってる人が多いので。。
ドレスで自己顕示
これは学費の高い私立音大の声楽科にありがちだと思うのですが、女子たちがドレスでマウントを取ります。
エメのドレスを着ている子もいましたよ。
良いですよね、エメ…
わたしも一回着てみたかったです、エメ…
おわりに
そこまで興味を持たれないのですが、やっぱり音大は特殊環境だったと言うお話でした。
本当はもっと語りたいことがいっぱいあるのですが、ここでは控えます。
世間離れした人たちで構築された世間離れした環境。
10年も前の話なので、今は少しは変わったのでしょうね。。。